にしださん、最近ちょっとモヤモヤしてて…。
自分でも「なんでいつもこうなんだろう?」って思うことがあって、過去のことばっかり考えちゃうんです。
スーちゃん、それって自然なことだよ。
でも、そこに“ある考え方”を入れてみると、少し楽になるかもしれない。
ある考え方…?
うん、それがアドラー心理学で有名な「目的論」っていう考え方なんだ。
目的論? それってどういうことですか?
まず、多くの人が無意識に持っているのが「原因論」。
「過去にこうだったから今こうなってる」っていう考え方だね。
あ~たしかに。「親に厳しくされたから自信がない」とか、「前に失敗したから挑戦できない」とか…。
そうそう。でもアドラーは、人の行動は“過去の原因”ではなく、“未来の目的”によって動いているって考えたんだ。
えっ!?過去じゃなくて、未来の“目的”?
そう。「いま自分がこの行動をしているのは、“何かの目的を果たすため”」って考えるんだ。
たとえば、スーちゃんが「失敗が怖くて動けない」と感じているとしたら…
はい、まさにそれです…(小声)
その“動かない”という行動にも、実は目的があるんだ。
それはたとえば、「傷つかないため」「恥をかかないため」「責任を負わないため」…といった目的かもしれない。
うわっ…なんか図星かもです…。
つまり、「動けないんじゃなくて、“動かない”ことを選んでる」ってことですか?
その通り!アドラーは、「人はいつでも自分の行動を選んでいる」と考えるんだ。
そして、その選択には目的がある。たとえそれが無意識でもね。
でも、原因論の方がラクじゃないですか?
「自分はこういう過去があるから仕方ない」って思えた方が…。
うん、確かに原因論は“責任を外に置ける”から、一時的にはラクだよね。
でもそれだと、自分の人生のハンドルを“過去”や“他人”に渡しちゃうことになる。
あっ…!過去に振り回されてる感じになりますね。
逆に目的論を取り入れると、「じゃあ、この行動の裏にある目的は?」「本当は何を望んでるの?」って、自分と対話できるようになる。
たとえば、「人と距離をとる」っていう行動にも、「傷つきたくない」って目的があるかもしれないし…
でも本当は「もっと人とつながりたい」って願いがある…ってことですか?

まさにそれ!
本来の目的に気づけたら、そこからどう行動を変えていくかを考えられる。
行動の主導権を、“今ここにいる自分”に戻せるんだよ。
すごい…原因論だと「終わった話」で止まっちゃうけど、目的論だと「これからどうする?」って前を向けるんですね!
そう。キャリア支援の場でも、「なぜ転職を繰り返してしまうんですかね…」って相談に対して、
「その行動にどんな目的があったと思いますか?」と問いかけると、全然違う答えが出てくることがあるよ。
うわぁ…これは、いろんな場面で使えそう…。
過去を掘り返すより、「今、何のためにこうしてるのか」を見てみたくなりました!
「なんでこうなったの?」って悩んでばかりだったけど、
“過去”じゃなくて“目的”に目を向けるって、すごく力がわいてくる感じ!
比べない自分、自分の行動にちゃんと向き合う自分、まずは、やってみよ~
「どうしてうまくいかないんだろう」
「なんで私はこうなってしまうんだろう」
そんな風に感じるときこそ、
“過去”ではなく“これから”に目を向けるタイミングかもしれません。
アドラー心理学の「目的論」は、
あなたの行動や選択に、未来へのヒントをくれます。
キャリアも、人生も、今この瞬間から創り直せます。
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