にしださん、前に言ってた“定年後に再雇用された人”の話、やっぱり気になります。周りでもちょっと距離感に悩んでる人が多くて…。
うん、よくある相談だね。定年後に再雇用される人は増えてるけど、その分、職場の中で“役割”と“関係性”がズレやすくなる。
たとえば、現役の上司より年上の再雇用の人が、まるで“親分”みたいに振る舞ってたり、「もう俺は関係ないから」と言って話を聞いてくれなかったり…。
あるある。職位では部下なのに、心理的には“元上司”という立場から抜け出せていないケースだね。これって、「敬意」と「遠慮」がごっちゃになって、誰も本音を言えなくなる状況をつくりやすい。
そうなんです！後輩も「Aさんに指示していいのか分からない」とか、「注意しても“昔のやり方でやってる”って返されるから何も言えない」ってモヤモヤしてました。
それって、心理的役割の逆転が起きてる状態なんだ。年齢や過去の上下関係が現在の役割に影響を与えて、現場の機能が停滞する。実はこれ、組織にとっては結構深刻な問題なんだよ。
でも、誰も「困ってる」って言えない空気があって…。
私も「言ったら角が立つかな」って思っちゃいます。
そこなんだよね。“定年後の人には気を遣うべき”っていう無言の前提があると、チーム全体が「暗黙の遠慮」でまとまってしまう。これは“心理的安全性”の欠如と同じくらい危うい状態。
えっ、遠慮も危険なんですか？
うん。遠慮は“関係を壊さない工夫”のようでいて、実は“関係を育てない選択”でもある。だから放置すれば、何も育たないままストレスだけが溜まっていく。
うちもまさにそうかも…。年下の上司が言いづらそうにして、結果的に若手が調整役になっちゃって。
その状況が続くと、“空気を読む人”が疲弊して、“空気に守られる人”が責任を感じなくなる構造ができあがる。これはとても危険なパターン。
なるほど…。でも、「じゃあどうすればいいんだろう？」ってなっちゃいます。
大事なのは、“役割”をちゃんと再定義すること。
たとえば、上司が「今はこの立場だからお願いね」と明言したり、チームで役割ごとの期待を共有する時間を持つだけでも、空気は変わっていく。
役割を「はっきり言葉にする」ってことですね！
そう。再雇用の人も、悪気があるわけじゃない。むしろ「まだ役に立ちたい」と思ってる人が多い。だからこそ、**遠慮じゃなく“関係の再設計”**が必要なんだ。
じゃあ、どうやって“関係の再設計”をしていけばいいかというと、次のようなポイントがあるよ。
でもね、結局のところ、再雇用された本人に気づきを与えられるのは、上司でも若手でもなく、「自分のことを対等に扱ってくれる誰か」だったりもする。
例えば、日頃からフラットに接してくれる同僚や、信頼関係のある上司が「今のチームでどう貢献してもらえたら助かるか」を素直に伝える。
そういう関係性の中でしか、本当の変化は起こらないんだよ。
そして本当の変化を起こすには、「本人の中に気づきが芽生える環境」をつくることが必要なんだ。そのためには、安心して対話できる場があること、対等に向き合うこと、そしてときには専門家（キャリアコンサルタントなど）が第三者として関わることが効果的なんだよ。
遠慮って、優しさのつもりだったけど、関係を止めちゃうこともあるんですね。私もそろそろ、しっぽ巻いて逃げるだけじゃなくて、ちゃんと目を見て「お願いします」って言える勇気、持ちたいな。
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